断水して最初に困るのはトイレです。ただ、多くの人が「流せない」ことばかりを考えて、そのすぐ後にやってくる問題を見落としています。体を清潔に保てなくなることです。
この記事では、断水時にやってはいけないこと、簡易トイレと携帯ウォシュレットの役割の違い、必要な水の量、備え方をまとめます。数字は一次情報を確認し、末尾に出典を付けました。機種の選び方は携帯ウォシュレットおすすめガイド【2026年版】を参考にしてください。
最初にお伝えしておきます
この記事で紹介するSIMPSの携帯おしり洗浄器は、私(当サイト運営者)が企画に関わった商品で、販売はSIMPSが行っています。自分の商品なので良い点は書きますが、不利な点も本文で先に書いています。
断水時のトイレでやってはいけないこと
編集部のおすすめ
SIMPS 携帯おしり洗浄器 手動式・ブルー(¥1,380・税込)
電池も充電も要らない手動式で、容量は約450ml。
コップ1〜2杯の水があれば断水中でもお尻を洗えます。
収納袋と予備ノズルが付属します。
断水と聞くと「水さえあればトイレは流せる」と思いがちです。ところが地震のあとは排水管や下水道が傷んでいることがあり、流せるかどうかは水の有無では決まりません。
東京都下水道局は、下水道の使用制限が出ている地域では使用を控え、制限がなくても排水設備の破損を確認するよう求めています。集合住宅では下の階へ汚水が逆流する場合があるため、まず管理会社に問い合わせるよう案内しています。
- 排水管の安全が確認できる前に、風呂の残り湯やバケツの水で流す。自分の部屋では流れたように見えても、下の階で汚水があふれることがあります。
- 少量の水を何度も流す。水が少ないと便器の中で止まり、詰まりの原因になります。流してよい場合はバケツ1杯を一気に流します。
- ウェットティッシュやおむつを便器に流す。平時でも詰まるものは、断水時にはなおさら流せません。
- トイレを避けたくて水分を控える。避難生活で水分を控えると体調を崩しやすくなります。
流せるかどうかは建物と地域で変わるので断定はしません。自治体や管理会社の指示を最優先にし、確認が取れるまでは便器にかぶせて使う簡易トイレに切り替えるのが安全です。
簡易トイレと携帯ウォシュレットは役割が違う
簡易トイレ(凝固剤タイプ)は、便器に袋をかぶせて排泄し、凝固剤で固めて捨てる道具で、担うのは「排泄物の処理」です。携帯ウォシュレットはボトルの水でお尻を洗う道具で、担うのは「体を清潔に保つ」ことです。
簡易トイレは使い切りなので数を計算して備えます。神奈川県は1日の排泄回数を1人平均5回とし、「5回×家族の人数×最低3日分」を目安に、可能なら7日分を勧めています。4人家族なら3日分で60回分です。
| 項目 | 簡易トイレ(凝固剤) | 携帯ウォシュレット |
|---|---|---|
| 役割 | 排泄物の処理 | 体を清潔に保つ |
| 必要な水 | 不要 | 1回コップ1〜2杯 |
| 消耗するもの | 1回ごとに使い切り | 水だけ |
| 備蓄の目安 | 1人1日5回×最低3日分 | 1人1本+洗浄用の水 |
必要な水の量の目安:飲む水・流す水・洗う水
首相官邸の防災ページでは、飲料水は3日分(1人1日3リットルが目安)で、大規模災害時は1週間分が望ましいとされています。飲料水とは別に、トイレを流すための生活用水も必要とされています。
流す水は多く要ります。LIXILの案内ではバケツ1杯(5〜6リットル)に加えてニオイ防止に3〜4リットルを流すとされ、1回で8〜10リットル近く消えます。
それに対して洗う水はわずかです。携帯ウォシュレット1回に使う水は、私の目安でコップ1〜2杯(200〜400ml程度)で、容量約450mlのボトル1本で1〜2回洗えます。流す水の10分の1以下です。
4人家族・3日分の水の試算(私の目安)
飲料水:3リットル×4人×3日=36リットル(2リットルのペットボトル18本)
洗浄用の水:1人1日2回×約300ml×4人×3日=約7.2リットル(同4本)
生活用水はこれとは別に用意します
体を清潔に保てないと何が起きるか
医療法人社団鉄結会が2026年2月に避難生活の経験者300名に行った調査では、64.0%が皮膚トラブルを経験し、多かったのは湿疹・かぶれ(42.3%)と傷の悪化(31.7%)でした。拭くだけでは汚れが残り、下着の中で蒸れて肌が荒れます。
洗えること自体が予防になります。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、白癬菌が皮膚に付着しても24時間以内にきれいに洗えば感染を防げると説明されています。
厚生労働省も被災地での健康を守る案内で、トイレの使用後の手洗いとトイレの清掃・消毒を呼びかけています。以上は一般的な情報で、強い症状が出たときは保健師や医療機関に相談してください。
私が企画した1本:SIMPS 携帯おしり洗浄器(手動式)
立場は冒頭に書いたとおりです。ボトルを手で押して水を出す手動式で、容量は約450ml、電池も充電も要らないので停電と断水が同時に起きても使えます。収納袋と予備ノズル付きで価格は税込¥1,380、色はブルーのほかにピンクもあります。
正直に書いておく3つの注意
1. 水を入れたまま持ち運べません。
水を入れるのは使う直前で、避難所へは空のボトルとペットボトルの水をセットで持っていきます。
2. 手動の水圧は、電動式の弱〜中程度です。
家庭の温水洗浄便座の「強」を期待すると物足りません。目的は断水中でも洗えることです。
3. 慣れが要ります。
ノズルの角度と押す加減は初めてだと分かりません。防災用なら、平時に一度、自宅のトイレで練習しておくことを勧めます。
2026年9月時点のAmazonの評価は3.5(40件)で、低評価の内容は携帯ウォシュレットおすすめガイドにそのまま載せています。買う前に読んでください。
使い方のコツ4つ
- 空気抜き。水を入れたらノズルを上に向けて軽く1回押し、ボトル内の空気を出します。
- 両手ホールド。両手で包むように持ち、じわっと押し続けると水圧が安定します。
- 斜め下向き。ノズルを斜め下向きに当てると、水が便器に落ちて周りが濡れません。
- ぬるま湯。冬場は温めた湯を混ぜて人肌程度にします。熱い湯は使いません。
使い終わったらノズルと本体を水ですすいで乾かし、収納袋に戻します。
家庭での備え方:人数分・年1回の点検・ペットボトルとセット
体に直接使う道具なので1人1本が基本です。点検は年に1回、防災の日などに決めて行い、ボトルの変形、ノズルの劣化、実際に水が出るかを確認します。
500mlのペットボトルを本体と一緒に袋に入れ、「洗浄用」と書いておきます。防災用品全体は防災グッズの選び方・おすすめ20選と防災グッズおすすめ15選、子どもがいる家庭の停電対策は台風・停電への備えにまとめています。
よくある質問
Q1. 断水中、少しの水があればトイレを流してもいいですか?
排水管や下水道の安全が確認できるまでは流さないのが安全です。集合住宅はまず管理会社に確認してください。
Q2. 携帯ウォシュレットがあれば簡易トイレは不要ですか?
不要にはなりません。簡易トイレは排泄物の処理、携帯ウォシュレットは体を清潔に保つ道具で、役割が違います。
Q3. 携帯ウォシュレットに使う水は飲料水でなくてもいいですか?
体に直接当てる水なので、飲料水か清潔に保管した水道水を使い、風呂の残り湯や濁った水は避けます。
Q4. 子どもや高齢の家族にも使えますか?
使えます。小さな子どもは大人がボトルを持って補助し、押す力を弱めにします。
Q5. 防災用には電動式と手動式のどちらがいいですか?
停電と断水が同時に起きる前提なら、電池切れの心配がない手動式が確実です。災害時に求めるのは快適さより確実に洗えることです。
参考にした一次情報
- 首相官邸「災害が起きる前にできること」
- 東京都下水道局「災害時のトイレ対策について」
- 神奈川県「携帯トイレを備蓄しましょう」
- LIXIL「断水時・給水制限時にトイレを流す方法」
- 厚生労働省「被災地での健康を守るために」
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q25(足白癬のケア)
- 医療法人社団鉄結会 調査「避難生活経験者の64.0%が皮膚トラブルを経験」
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