在宅ワークが増えてから、肩こりや首こりがひどくなったと感じていませんか。体質だけでなく、デスク環境が体に合っていないことが関係している場合があります。
この記事では、道具にお金をかける前に見直したいモニターの高さ・椅子・入力デバイスの3点を軸に、肩や首の負担を減らすデスクの整え方を順番に解説します。
基準の数値は、厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」など、出典のあるものだけを使いました。職場向けの基準ですが、自宅の机にも応用できます。
私は医師ではないので、内容は一般的な環境づくりの情報です。痛みやしびれが続く場合は、様子を見続けず整形外科で相談してください。
なぜ在宅ワークで肩がこるのか
肩や首のこりには、長時間同じ姿勢を続けることが関係すると言われています。とくに頭が前に出た姿勢は、首と肩で頭を支え続けることになります。まずは「頭が前に出ない配置」を作ることが最優先です。
ガイドラインの解説にも、首のこりや痛みは頭の前傾が大きくなると増加し、キーを打つ際に腕や手首を乗せる支持台がないと肩のこりや痛みは増加するといわれている、とあります。
ステップ1:モニターの高さと距離を合わせる
- 画面の上端が目の高さと同じか、やや下になるように調整します
- 目と画面の距離はおおむね40cm以上を確保します
- ノートPC単体は画面が低くなりがちなので、スタンドで持ち上げて外付けキーボードと組み合わせると姿勢が一気に改善します
上の2つはガイドラインの基準そのままです。文字の高さはおおむね3mm以上、大きな画面は見上げない位置に、ともあります。
高さの微調整にはモニターアームが便利です。台座タイプより自由に位置を決められ、デスクも広く使えます。
ステップ2:椅子と骨盤の姿勢を整える
椅子は「深く座って骨盤を立てる」のが基本です。背もたれに寄りかかったときに腰が支えられているか、足の裏が床につくかを確認してください。
足が届かない場合はフットレストで調整します。1時間に1回は立ち上がって肩を回し、同じ姿勢をいったん区切りましょう。
ガイドラインは、座面の先端とひざ裏の間に手の指が入る程度のゆとりも求めています。
身長別の机と椅子の高さの目安表
ガイドラインの解説では、高さを変えられない机は床から65〜70cm程度のもの、椅子は座面を37〜43cm程度の範囲で調整できるものが望ましいとされています。
日本オフィス家具協会は、座面の高さの目安を「身長×1/4」、机の高さの目安を「座面高+身長×1/6」としています。この式で計算して四捨五入した値が次の表です(単位はcm)。
| 身長 | 座面の高さ | 机の高さ |
|---|---|---|
| 150 | 38 | 63 |
| 155 | 39 | 65 |
| 160 | 40 | 67 |
| 165 | 41 | 69 |
| 170 | 43 | 71 |
| 175 | 44 | 73 |
| 180 | 45 | 75 |
同協会が推奨する事務机の高さは72cmで、表と見比べると合うのは身長170cm台からです。
机が高いときは椅子と足台で合わせる
机の高さを変えられない場合は、椅子を上げ、浮いた足を足台で支えます。
なお、ガイドラインの座面の高さはクッションが2〜3cm沈んだ状態の値で、市販の椅子は沈む前の高さで表示されるのが一般的です。椅子選びは在宅ワーク向けチェアの選び方ガイドに書いています。
ステップ3:入力デバイスで手首と肩の力を抜く
見落とされがちですが、マウスとキーボードの位置と操作性も肩や腕の力みに関わります。マウスが滑りにくいと、無意識に肩や腕に力が入りやすくなります。
ガイドラインの解説では、上腕と前腕の角度が90度以上で、キーボードに自然に手が届く姿勢が好ましいとされています。手首や前腕は、机やリストレストで支えてください。
操作性の面で選択肢になるのが、摩擦が少なく一定の力で動かせるガラス製マウスパッドです。表面が滑らかなので少ない力でカーソルを動かせます。冬場のひんやり感が気になる場合はリストレストと併用してください。
メーカーの私から見ても、優先順位は画面・椅子・机のあとです。今のパッドに不満がなければ買い替えは不要です。
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ノートパソコンは画面とキーボードが一体なので、画面を上げると手が上がり、手に合わせると首が下を向きます。ガイドラインも、長時間使う場合は外付けのディスプレイやキーボード、マウスの利用が望ましいとしています。
買い足す前に、日本人間工学会のガイドラインの工夫を試してください。
- 本や雑誌を本体の奥側にはさみ、キーボードに角度をつける(目安は5〜12度)
- 本体を体の正面に置き、上半身をねじらない
- 椅子が低いときは、クッションや座布団で高さを足す
スタンドで画面を上げるなら、外付けキーボードとセットが前提です。選び方はノートパソコンスタンドの比較記事にまとめています。
1時間ごとのリセット習慣
ガイドラインは、連続作業が1時間を超えないようにし、次の作業までに10〜15分の作業休止を入れるよう求めています。その途中にも、1〜2分程度の小休止を1〜2回取ります。
作業休止は、遠くを眺める、目を閉じる、ストレッチをする、画面を使わない仕事をする時間です。1時間より短いタイマーをかけ、鳴ったら席を立つと決めておくと続きます。
買う前に試せる無料の改善
- 画面の下に本や箱を置き、上端を目の高さに近づける
- 座布団で座面を上げ、足元に滑らず安定する箱を置く
- 机の下の荷物をどけて、脚まわりを広くする
- 文字サイズを大きくして、顔を画面に近づけない
これでしばらく試し、合わない部分だけ道具で補います。
道具を買うならこの順番
- 外付けキーボードとマウス:ノートパソコンの方は最優先
- 足台:椅子を上げて足が浮く方に
- 高さを調整できる椅子
- 外付けモニターやモニターアーム
- リストレストやマウスパッド:仕上げ
全体像はデスク環境構築の完全ガイドにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. モニターと目の距離は何cmが目安ですか
A. 厚生労働省のガイドラインでは、おおむね40cm以上の視距離を確保するとされています。
Q. ノートパソコンだけで仕事を続けても大丈夫ですか
A. 短時間なら置き方の工夫で対応できます。長時間の作業には、外付けのキーボードやディスプレイが望ましいとされています。
Q. 机が高すぎるときはどうすればいいですか
A. 椅子を上げて、浮いた足を足台で支えます。足台は、滑りにくく十分な広さのあるものを選びます。
Q. 休憩はどのくらいの間隔で取ればいいですか
A. ガイドラインの目安は、連続作業1時間以内、次の作業までに10〜15分の作業休止です。
Q. 環境を整えても痛みやしびれが続くときは
A. デスク環境の工夫は治療ではありません。痛みやしびれが続く場合は、早めに整形外科で相談してください。
まとめ:高さ・姿勢・操作性の3点から整える
肩こり対策は、高価なマッサージ機器の前にモニターの高さ・椅子の姿勢・入力デバイスの操作性を整えることから始めるのが近道です。まずは今日、モニターの高さと座り方を見直してみてください。
出典
- 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和3年12月1日一部改正)
- 日本人間工学会「ノートパソコン利用の人間工学ガイドライン」(2010年版)
- 日本オフィス家具協会(JOIFA)「安心・安全なイスの選び方」「安全・快適なデスクの選び方」
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