骨折やねんざ、術後のリハビリで松葉杖が必要になったとき、多くの方が最初に迷うのが「レンタルと購入のどっちが得なのか」という問題です。実は松葉杖のレンタル料金は、借りる場所によって無料に近いケースから月額1,700円台までかなりの幅があります。さらに介護保険が使えるかどうかでも負担額は大きく変わります。
この記事では、病院・福祉用具レンタル・購入・自治体という4つの入手方法の費用相場を実際の公表価格をもとに整理し、使用期間ごとの損益分岐を正直に計算しました。筆者が調べた範囲の数字をそのまま載せていますので、ご自身の状況に当てはめて判断してみてください。
松葉杖の入手方法は4つある
松葉杖を手に入れる方法は、大きく分けて次の4つです。
- 病院・クリニックで借りる:受診した医療機関の貸出制度を利用する方法。最も手軽で、その日のうちに使えます
- 福祉用具レンタル業者で借りる:ダスキンヘルスレントなどの専門業者から月額制で借りる方法
- 購入する:通販や介護用品店で自分の松葉杖を買う方法。アルミ製2本組で3,000〜7,000円程度が中心です
- 自治体・社会福祉協議会の貸出を利用する:一部の地域では福祉用具の無料貸出制度があります。ただし対象は車いすが中心で、松葉杖は扱っていない地域も多いため、事前確認が必要です
骨折直後は病院の貸出でスタートし、使用期間の見込みが立った時点でレンタル継続か購入かを決める、という流れが現実的です。それぞれの費用を詳しく見ていきます。
松葉杖レンタルの料金相場と手続き
病院の貸出は「預かり金5,000円前後+日額0〜300円」が目安
病院の松葉杖貸出は健康保険の適用外で、料金は各医療機関が独自に設定しています。筆者が各病院の公表資料を確認した範囲では、おおむね次のような運用が多く見られました。
- 貸出時に預かり金(保証金)5,000円前後を支払い、返却時に返金される方式
- レンタル料そのものは無料〜1日100円程度の医療機関が多く、1日300円程度の設定も一部にあります
たとえば公立藤田総合病院(福島県)では、貸出時に預かり金5,000円を支払い、松葉杖を返却すると全額返金される仕組みです(同院の公式案内より)。未返却や破損の場合は預かり金がそのまま保証料になります。
短期間なら費用はごくわずかですが、長引くと日額課金型では負担が積み上がりますし、返却しに行く手間も発生します。
福祉用具レンタルは2本1組で月額1,700円前後
介護用品のレンタル大手ダスキンヘルスレントでは、松葉杖(2本1組)のレンタル料金は月額1,720円です(2026年7月時点、公式サイトより)。月単位の契約なので、2週間しか使わなくても1ヶ月分の料金がかかる点には注意してください。
手続きは電話やWebで申し込み、自宅への配送や引き取りに対応してもらえる事業者が多いです。病院に返却しに行く必要がないのは利点といえます。
介護保険レンタルは「要介護認定」が前提
松葉杖は介護保険の福祉用具貸与の対象品目(歩行補助つえ)に含まれており、要支援1・2以上の認定を受けている方なら自己負担1〜3割でレンタルできます。先ほどのダスキンヘルスレントの例なら、1割負担で月額172円です。
ただしここが重要な点ですが、介護保険レンタルはあくまで要介護・要支援の認定を受けていることが前提です。骨折やねんざによる一時的な利用では認定を受けていない方がほとんどのため、原則として全額自費になります。「介護保険で安く借りられる」という情報だけを見て期待すると当てが外れやすいので、ご注意ください。
松葉杖の購入相場とどこで買うか
松葉杖はどこで買うべきか迷う方も多いのですが、購入先は主に通販(Amazon・楽天など)、大型ドラッグストア、介護用品店の3つです。実店舗は在庫を置いていないことも多く、品揃えと価格の面では通販が有利です。急ぎでなければ翌日配送も使えます。
価格の中心帯はアルミ製2本組で3,000〜7,000円程度です。購入時は次の3点を確認しましょう。
- 適応身長の範囲:脇当ての高さが合わないと脇の神経を圧迫する恐れがあります
- 耐荷重:体重に対して余裕のあるものを選びます
- 折りたたみ・分解の可否:通勤や外出が多い方は収納性で使い勝手が大きく変わります
機種ごとの詳しい違いは折りたたみ松葉杖おすすめ比較5選で実測データつきで解説していますので、あわせて参考にしてください。
損益分岐はどこか|レンタルvs購入の費用比較表
ここまでの相場をもとに、使用期間別の総費用を比較してみます。購入価格は5,480円(後述のJUREMI折りたたみ2本セットの実売価格)を例にしました。
| 使用期間 | 病院貸出 (日額100円) |
病院貸出 (日額300円) |
福祉用具レンタル (月額1,720円) |
購入 (5,480円) |
|---|---|---|---|---|
| 2週間 | 1,400円 | 4,200円 | 1,720円 | 5,480円 |
| 1ヶ月 | 3,000円 | 9,000円 | 1,720円 | 5,480円 |
| 2ヶ月 | 6,000円 | 18,000円 | 3,440円 | 5,480円 |
| 3ヶ月 | 9,000円 | 27,000円 | 5,160円 | 5,480円 |
| 4ヶ月 | 12,000円 | 36,000円 | 6,880円 | 5,480円 |
この表から読み取れる損益分岐は次のとおりです。
- 2〜3週間の短期ならレンタルが合理的です。特に病院貸出が無料〜日額100円なら、購入するより明らかに安く済みます
- 日額300円の病院貸出なら約18日、日額100円でも約2ヶ月で購入価格を上回ります
- 月額1,720円の福祉用具レンタルなら約3ヶ月強が分岐点です。3ヶ月以内の利用ならレンタルのほうが総額は安くなります
つまり「短期確定ならレンタル、1ヶ月以上使う見込みや再利用の可能性があるなら購入」というのが、相場から導ける正直な結論です。医師に全治の見込みを確認してから決めると失敗しません。
返却不要・家族で再利用できる購入の利点
金額の比較に加えて、購入には次のような実用面の利点があります。
- 返却の手間がない:松葉杖をついた状態で病院や業者へ返しに行くのは、想像以上に大変です
- 預かり金・延滞の心配がない:保証金の立て替えや返却期限を気にせず使えます
- 家族で再利用できる:長さ調節式なら、将来家族の誰かがけがをしたときにもそのまま使い回せます
- 新品を使える衛生面の安心:脇や手に直接触れる道具なので、気になる方には大きなポイントです
一方で、2週間程度で確実に不要になるケースや保管場所がない場合は、レンタルで十分です。松葉杖生活そのものを楽にする工夫は松葉杖生活を楽にする工夫まとめで詳しく紹介しています。
よくある質問
Q1. 松葉杖は健康保険で無料になりますか?
なりません。松葉杖の貸出は健康保険の適用外で、料金は医療機関ごとの独自設定です。無料貸出の病院もあれば、預かり金や日額料金が必要な病院もあります。受付で確認しましょう。
Q2. 介護保険で松葉杖をレンタルできますか?
要支援1・2以上の認定を受けていれば、自己負担1〜3割でレンタルできます。松葉杖は要支援の方も対象になる数少ない品目です。ただし骨折などの一時利用で認定がない場合は原則自費になります。
Q3. 松葉杖はどこで買うのが安いですか?
品揃えと価格では通販が有利で、アルミ製2本組が3,000〜7,000円程度で購入できます。実店舗では取り寄せになることも多いため、急ぐ場合は病院の貸出でつなぎ、並行して通販で手配するのが効率的です。
Q4. 使い終わった松葉杖はどうすればいいですか?
長さ調節式なら家族用に保管しておくのがおすすめです。不要な場合は自治体の粗大ごみ、リサイクルショップ、福祉団体への寄付などの選択肢があります。
まとめ|期間が読めるなら答えは出せる
松葉杖のレンタルと購入は、使用期間で答えが変わります。2〜3週間の短期なら病院貸出やレンタルが合理的、1ヶ月以上や家族での再利用を考えるなら購入が得、というのが実際の相場から出せる結論です。迷ったら医師に期間の見込みを聞き、この記事の比較表に当てはめてみてください。
住まいと暮らしの困りごと対策は住まい・アウトドアの記事一覧にもまとめています。
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