夜に突然停電したとき、最初に手に取るのは懐中電灯だと思います。ところが実際に暗い家の中を歩いてみると、懐中電灯が1本あるだけでは、思った以上に動けません。
この記事では、停電した夜に家のどこへ明かりを置くかという配置計画に絞って書きます。子どもが怖がらない過ごし方は台風・停電への備えと子どもの夜の過ごし方の記事にまとめているので、ここでは動線の話に集中します。
懐中電灯1本では足りない2つの理由
メーカー本人のおすすめ(自社商品)
JUREMI LEDキャンドルライト 電池式 24個セット(¥1,680・税込)
火を使わない電池式のLEDキャンドルです。やさしい暖色の灯りが24個入っているので、廊下・階段・トイレ・玄関と、家の動線に1個ずつ配って置けます。1個あたり70円の計算になるため、数をそろえる備えに向いています。
▶ Amazonで見る▶ 楽天で見るJUREMI全10アイテムを見る1つ目の理由は、手がふさがることです。片手に懐中電灯を持ったままでは、ドアを開ける、子どもの手を引く、水を運ぶといった動作がどれもやりにくくなります。
2つ目は、一点しか照らせないことです。懐中電灯の光は向けた先だけを強く照らすので、足元を照らせば先が見えず、先を照らせば足元の段差が見えません。
しかも1本しかなければ、誰かがトイレに持って行った瞬間に、残りの家族は真っ暗な部屋に取り残されます。首相官邸の防災ページも懐中電灯を手の届くところに備えるよう案内していますが、私はそれに加えて、持ち歩かない明かりを家の中に散らしておくことをおすすめします。
小さな明かりは「照らす」より「道しるべ」として置く
動線に置く明かりに、強い光は必要ありません。役割は、ここが廊下の角、ここが階段の始まりと知らせる目印です。目印が続いていれば、両手を空けたまま歩けます。
廊下:曲がり角と部屋の出入口に
廊下は、まっすぐな部分より曲がり角と出入口が危険です。角の床の壁際に1個、寝室の出入口に1個というように、向きが変わる場所へ置きます。
階段:上り口と下り口の2か所に
階段は家の中で最も転倒が怖い場所です。段の上に直接置くと足を引っかけるので、上り口と下り口の床の端、踊り場があればその隅に置きます。最初の1段と最後の1段の位置が分かれば十分です。
トイレ:中に1個、ドアの前に1個
トイレは停電中も全員が使う場所です。中の棚や床の隅に1個、ドアの前にも1個あると、夜中に子どもが1人で行きやすくなります。断水が重なった場合の備えは断水時のトイレと体の衛生の記事で解説しています。
玄関:靴箱の上に
玄関は避難のときに必ず通ります。靴箱の上など手元の高さに置くと、靴と鍵を探しやすくなります。
ライトは何個必要か:わが家の数え方
個数は、家の広さではなく動線の要所を数えて決めます。間取り図の上で寝室からトイレ、寝室から玄関までの道をなぞり、向きが変わる場所と段差に印を付けてみてください。
- 玄関:1個
- 廊下の角と出入口:2〜3個
- 階段の上り口・下り口:2個
- トイレの中と前:2個
- 洗面所:1個
- キッチン:1個
- 各寝室の枕元:人数分
この数え方だと、3〜4人家族なら階段のないマンションで10〜12個、戸建てで12〜14個ほどになります。これとは別に、部屋を照らすランタンと人数分の懐中電灯やヘッドライトを用意するのが、私の考える基本形です。
保管場所も分散させてください。1つの箱にまとめると、その箱まで暗闇を歩くことになります。寝室、リビング、玄関の3か所に分けておくと、最初の1個にすぐ手が届きます。
ロウソクを明かりにしないほうがよい理由
数をそろえるならロウソクでよいと考える方もいるかもしれません。しかし総務省消防庁の消防研究センターは、2016年4月の「地震後の火災防止について」の注意喚起の中で、明かり取りの目的でロウソクなどの裸火を極力使用しないよう呼びかけています。
理由は、物が散乱して燃えやすい物が普段と違う場所にあること、疲れで注意が行き届かないこと、余震のおそれがあることです。着火すると避難や消火が通常より難しくなるとも書かれています。
東京都が2024年4月に公表した調査でも、ロウソク使用時に事故やヒヤリ・ハットを経験した人は15.4%にのぼり、停電時に浴室で使ったロウソクを消し忘れて火災になった事例が紹介されています。同じ資料は、子どもや高齢者、ペットのいる家庭に電気ろうそくなどの検討をすすめています。
動線の明かりは、人が見ていない場所で一晩中つけておくものです。目を離す前提の明かりに裸火は向きません。
電池の備蓄で気をつけたいこと
電池式の明かりは、電池が切れれば役に立ちません。年に1〜2回は全部を点灯させ、暗いものは電池を交換してください。予備は、動線に置く個数を1回まるごと交換できる量が目安です。
小型のLEDライトにはボタン電池を使う製品が多くあります。国民生活センターは2024年7月、子どものボタン電池の誤飲事故について注意を呼びかけています。乳幼児のいる家庭では、予備の電池を手の届かない場所に保管し、床に置くライトの電池ぶたが閉まっているか確認してください。
メーカー本人が書く、JUREMI 24個セットの弱点
私が企画したJUREMIのLEDキャンドルライトは、電池式の24個セットで¥1,680(税込)です。先ほどの数え方で動線に10〜14個を置いても、10個以上が予備として残ります。
ただし弱点もあります。1個ずつの光は小さく、本を読んだり料理をしたりする明るさはありません。雰囲気重視の明かりなので、ランタンや懐中電灯の代わりにはならず、道しるべ専用と考えてください。
満点の商品ではありません。24個あるぶん電池の点検にも手間がかかります。電池は購入時から1個ずつセット済み(お試し用の電池)で、交換すれば繰り返し使えます。交換するときは、入っている電池と同じ型番のものを用意してください。
製品ごとの違いはLEDキャンドルライトおすすめ5選の比較記事で他社品と並べて解説しています。
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よくある質問
Q1. 停電に備えてライトは何個あれば足りますか?
人数分の手持ちライトと、動線の要所に置く小さな明かりを分けて数えるのがおすすめです。廊下・階段の上下・トイレ・洗面所・玄関・各寝室と数えると、10個を超える家庭が多いはずです。
Q2. 明かりは床と棚の上、どちらに置くのがよいですか?
足元を知らせたい廊下や階段は床の壁際、鍵や靴を探す玄関は靴箱の上など手元の高さが向いています。どちらも、蹴飛ばさない端に寄せるのが基本です。
Q3. 停電のとき、ロウソクを使ってはいけないのですか?
総務省消防庁の消防研究センターは、地震後の注意喚起で、明かり取りの目的でロウソクなどの裸火を極力使用しないよう呼びかけています。物が散乱した屋内は着火しやすく、余震のおそれもあるためです。
Q4. LEDキャンドルだけで停電の夜を過ごせますか?
おすすめしません。キャンドル型の小さなライトは目印としては優秀ですが、部屋全体を照らしたり手元で作業したりする明るさはありません。ランタンや懐中電灯と組み合わせてください。
Q5. 予備の電池はどれくらい用意すればよいですか?
動線に置く個数を1回まるごと交換できる量が目安です。電池の種類は製品によって違うため、今入っている電池の型番を確かめてから、同じものを用意してください。JUREMIのLEDキャンドルは、購入時からお試し用の電池がセットされています。
参考にした一次情報
- 総務省消防庁 消防研究センター「地震後の火災防止について(注意喚起)」
- 東京都 生活文化スポーツ局「ろうそくによる火災・やけどに注意!」
- 国民生活センター「子どものボタン電池の誤飲事故に気をつけましょう!」
- 首相官邸「災害が起きる前にできること」
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