黒い車は、磨き上げたときの深い艶が最大の魅力です。その一方で、洗車傷や磨き傷が最も目立ちやすい色でもあります。白やシルバーの車では気にならない細かい線傷が、黒いボディの上でははっきり見えてしまいます。
この記事では、黒・濃色車で磨き傷が目立つ理由から、洗車傷を増やさない洗い方、ポリッシャーを使った磨きの手順、仕上げのコーティングまでを順番に解説します。私が特に重視しているのは、濃色車ならではの「細目バフでの仕上げ」という工程です。手順どおりに進めれば、初めての方でも艶のある仕上がりに近づけます。
なぜ黒い車・濃色車は磨き傷が目立つのか
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濃色車の仕上がりを分けるのは、最後に使う細目バフです。このセットは荒目・中目・細目の3種入りで、下地処理から仕上げの艶出しまで1セットで使い分けられます。125mmは家庭用ポリッシャーで扱いやすい定番サイズです。
▶ Amazonで見るJUREMI全10アイテムを見る黒や濃紺、ダークグレーといった濃色のボディは、塗装面が鏡のように光を反射します。表面に細かい傷があると、そこだけ光が乱反射して白っぽい線として浮かび上がります。これが濃色車で傷が目立つ一番の理由です。
車の塗装は、上から順に透明なクリア層、色の付いたカラー層、下地の層で構成されています。洗車傷や磨き傷のほとんどは、一番上のクリア層に付いた浅い傷です。淡色車ではカラー層の明るさと傷の白さの差が小さいため目立ちませんが、黒いカラー層の上では傷の白さがはっきりしたコントラストになります。
夜の街灯や駐車場の照明の下で、渦を巻くような細かい線傷が見えることがあります。これはスワールマークと呼ばれる状態で、洗車のたびに付いた微細な傷が積み重なったものです。逆に言えば、濃色車はきちんと磨けば淡色車では出せない深い艶が出ます。傷が目立ちやすい色は、手入れの成果が最も分かりやすい色でもあります。
磨く前に見直したい。洗車傷を増やさない洗い方
せっかく磨いても、洗車のやり方が変わらなければ傷はまた増えていきます。磨きの前に、ふだんの洗い方を見直しておきましょう。ポイントは「砂を引きずらないこと」と「力を入れないこと」の2つです。
- 予洗いをたっぷり行う:スポンジを当てる前に、水でボディの砂やほこりを流し落とします。砂が残ったままこすると、それが研磨剤の代わりになって線傷を付けます
- シャンプーはよく泡立てる:泡がクッションになり、スポンジとボディの摩擦を減らします。泡立ちの悪い薄めすぎは避けてください
- 上から下へ洗う:汚れの少ない屋根から始めて、砂の多い下回りは最後に回します。下回りを洗ったスポンジで上部を洗わないよう、できれば2つに分けます
- 力を入れず一方向に動かす:ゴシゴシと往復させず、軽い力で滑らせるように動かします
- 拭き上げは吸水性の高いクロスで:マイクロファイバークロスを使い、押さえるように水分を吸わせます。乾いたタオルで強くこするのは禁物です
- 直射日光の下では洗わない:水滴がレンズになって乾き、輪じみ(イオンデポジット)の原因になります。朝夕や日陰での洗車が基本です
黒い車の場合、この洗い方を守るだけでも新しい傷の増え方が目に見えて変わります。磨きは「今ある傷を消す」作業、洗い方の見直しは「これからの傷を防ぐ」作業です。両方そろって初めて艶が長持ちします。
ポリッシャーで磨く手順。下地処理から本磨きまで
ここからが本題の磨き作業です。濃色車は結果がはっきり出るぶん、手順を飛ばすと失敗も目立ちます。次の流れで進めてください。
- 洗車と鉄粉除去:磨く前に必ず洗車し、ボディ表面のざらつきが気になる場合は鉄粉除去剤や粘土クリーナーで取り除きます。異物が残ったまま磨くと、ポリッシャーで傷を広げてしまいます
- マスキング:樹脂パーツ、ゴムモール、エンブレムの縁などをマスキングテープで保護します。コンパウンドが樹脂に入り込むと白く残って取れにくくなります
- 試し磨き:いきなり目立つ場所から始めず、ドア下部など目立たない場所で試します。中目のコンパウンドと中目のバフから始めて、傷の消え方を確認してください
- 面を区切って磨く:50cm四方を目安に範囲を区切り、1区画ずつ仕上げます。ポリッシャーはボディに当ててからスイッチを入れ、一定の速さで動かし続けます。同じ場所に留めると摩擦熱で塗装を傷めます
- 拭き取りと確認:1区画磨くごとにコンパウンドを拭き取り、照明を当てて傷の残りを確認します。角度を変えて見ると磨き残しが分かります
ポリッシャー本体の種類や回転数の設定、機械の細かい扱い方については、ポリッシャーの使い方の記事で詳しく解説しています。初めて機械を使う方はあわせて読んでみてください。
バフの使い分け。濃色車は細目仕上げが決め手
磨きの仕上がりを左右するのが、ポリッシャーに取り付けるバフの使い分けです。バフには粗さの違いがあり、役割がはっきり分かれています。
- 荒目:研磨力が最も高く、深めの傷や劣化した塗装表面の下地処理に使います。削る力が強いので、濃色車では最初からは使わないのが基本です
- 中目:全体の傷を均していく標準のバフです。多くの場合、磨きの主役はこの中目になります
- 細目:研磨力を抑えた仕上げ用です。中目までの磨きで残った微細な磨き目(バフ目)を消し、艶を引き出します
淡色車であれば中目で終えても目立ちませんが、黒い車では中目の磨き目すら光の下でうっすら見えます。濃色車の磨きは「細目で締める」ところまでが1セットです。私はこの最後のひと手間が、黒い車の仕上がりを分ける一番のポイントだと考えています。
バフの素材にはウールとウレタン(スポンジ)があり、ウールは研磨力が高く、ウレタンはより穏やかです。深い傷の処理から進める場合はウール、仕上げの微調整にはウレタンという使い分けもできます。バフ選びの詳しい比較は車磨きバフのおすすめ記事にまとめています。
仕上げのコーティングで艶を守る
磨きが終わった直後の塗装面は、保護するものが何もない無防備な状態です。そのままにすると、せっかくの艶が雨や紫外線、洗車でまた傷んでいきます。磨いたら必ずコーティングまでを1つの作業として行ってください。
手順としては、まずシリコンオフなどで脱脂をして、コンパウンドの油分を完全に取り除きます。油分が残っているとコーティング剤が定着しません。その後、ガラス系コーティング剤やワックスを説明書どおりに塗り込み、規定の時間乾燥させます。施工中は直射日光と高温を避け、風のない日陰かガレージで作業するのが理想です。
コーティングの持ちは製品や保管環境で変わりますが、どの製品でも共通するのは、施工後の洗車の質が寿命を左右するという点です。先ほど紹介した傷を増やさない洗い方を続ければ、艶の持ちは確実に伸びます。輪じみや水あか対策も含めた傷の予防策は、車の傷と水あか対策の記事で詳しく解説しています。
磨きすぎに注意。クリア層は削ったら戻らない
最後に、黒い車のオーナーほど知っておいてほしい注意点があります。それは、磨きは塗装を薄くする作業だという事実です。
コンパウンドで磨くたびに、クリア層はわずかずつ削れていきます。クリア層の厚さには限りがあり、削りすぎればカラー層が露出して再塗装しか手がなくなります。傷が気になるたびに強く磨くのではなく、本格的な磨きは年に1回から2回までにとどめ、ふだんは洗い方とコーティングの維持で艶を守るのが長く乗るためのコツです。
また、作業環境にも気を配ってください。真夏の直射日光の下ではコンパウンドがすぐ乾いて磨きにくく、ボディの温度も上がって塗装に負担がかかります。気温の穏やかな日の日陰やガレージで、時間に余裕を持って作業しましょう。ボディの磨きと同じ日に、黄ばんだヘッドライトを一緒に仕上げると車全体の印象が締まります。
よくある質問
黒い車は手磨きとポリッシャーのどちらがよいですか
広い面をむらなく磨くならポリッシャーをおすすめします。手磨きは力の入り方が一定にならず、濃色車では磨きむらがそのまま見えてしまいます。ドアの縁やミラー周りなど機械を当てにくい細部だけ手磨きで補い、面はポリッシャーで仕上げる組み合わせが現実的です。
コンパウンドはどの粗さから始めればよいですか
いきなり粗いものから始めず、中目程度から試すのが安全です。目立たない場所で試し磨きをして、傷が消えなければ一段階だけ粗くします。最後は必ず細目で磨き目を整えてください。粗い番手で磨いたまま終えると、濃色車では磨き目が白っぽく残ります。
磨いた後にバフ目(磨きムラ)が残ったときはどうすればよいですか
細目のコンパウンドと細目のバフに替えて、力を抜いてもう一度全体を磨き直します。バフ目は粗い研磨の跡が残っている状態なので、上から細かい研磨で整えれば薄くなります。同じ場所に長く当てず、一定の速さで動かし続けることも大切です。
磨きの頻度はどのくらいが適切ですか
コンパウンドで削る本格的な磨きは、年に1回から2回までを目安にしてください。塗装のクリア層の厚さには限りがあり、磨くたびに少しずつ薄くなります。ふだんは傷を増やさない洗車とコーティングの維持を優先し、磨きは傷が気になったときの手段と考えるのがよいと思います。
黒い車に洗車機を使ってもよいですか
急いでいるときに使うこと自体は問題ありませんが、ブラシ式の洗車機は細かい線傷が付く可能性があります。濃色車ではその傷が目立ちやすいため、艶を保ちたい方には手洗いをおすすめします。使う場合はノンブラシ式や布ブラシ式を選ぶと傷のリスクを減らせます。
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