車のキズや水アカを自分で消すとき、バフと並んで欠かせないのがコンパウンド(研磨剤)です。ところが「粗目・中目・仕上げ」「液体・固形」と種類が多く、選び方を間違えると磨きすぎや磨き残しの原因になります。
この記事では、コンパウンドを粗さ・種類・形状から選ぶ考え方と、バフと組み合わせた失敗しない使い方を解説します。
まず理解:コンパウンドは「粗さ」で段階が決まる
コンパウンドは研磨粒子の細かさ(番手)で役割が分かれます。深いキズには粗目、仕上げには極細目と、粗いものから細かいものへ段階的に使うのが基本です。
ソフト99は、コンパウンドが粗目・中目・細目・極細目・超微粒子などで表示されると説明しています。
| 粗さの呼び方 | 主な用途 | 平均粒子サイズ |
|---|---|---|
| 粗目 | 補修塗装の粗削り・サビ落とし・塗装前の下地処理 | 公表なし |
| 中目 | 広い面の研磨・くすみ取り | 公表なし |
| 細目 | 浅いキズ・ピッチやタールなどの汚れ落とし | 10〜15μm |
| 中細 | 細目の磨き跡と塗装面のざらつき消し | 3μm |
| 極細目・超微粒子 | 最終仕上げ・艶出し | 1μm |
粒子サイズはソフト99の公表値です。順番は細目、中細、極細と粗いほうから。ホルツも、用途に合わない粗さはキズを広げ塗装を痛めると注意しています。製品名の数字(3000・9800など)の意味は公表されていないことが多く、他社とそのまま比べられません。
磨いてはいけないキズを先に見分ける
粗さを選ぶ前に、磨いて消えるキズかを確かめます。ホルツは爪でなぞる方法を案内しています。引っかからなければ浅いキズで研磨できます。カチッと引っかかれば深いキズで、パテ埋めやタッチアップの領域です。
次のものは磨いてはいけません。削るほど悪化します。
- 塗装が欠けて下地の色が見えている箇所、サビが出始めた箇所(ホルツ)
- 劣化して白く粉を吹いた塗装面、タイヤ、ゴム、レザー、ガラス、ミラー(ソフト99の使用上の注意)
- つや消し塗装やシボのある面
深さ別の直し方は車の小傷はタッチペンか磨きかへ。
液体と固形(ペースト)の違い
- 液体タイプ:伸びがよく広い面に均一に塗りやすい。ポリッシャー作業向き
- 固形・ペーストタイプ:狙った箇所にとどまりやすく、部分補修や手作業向き
ポリッシャーで広い面を磨くなら液体、手作業で細かいキズを狙うなら固形が扱いやすい傾向です。
ホルツはさらに、チューブは小面積の手作業、液体は比較的広い部分の手作業、半ネリは手作業と機械バフの両用で広い面積向きと整理しています。
成分で選ぶ:水性と油性
ホルツは、形状と粒度に加えて成分(油性・水性)でも分かれると説明しています。見分け方は成分表示です。ソフト99の液体コンパウンド3000と9800は、界面活性剤・研磨材・石油系溶剤(10%)と表示されています。
溶剤入りは油分ごと落とす力がある一方、ゴムやレザー、未塗装樹脂には使えません。水性表示の製品は刺激が穏やかです。どちらを選んでも、ラベルの使用できないものの欄を先に読んでください。
濃色車と淡色車で選ぶものが変わる
同じ粒度でも色で見え方が変わります。ソフト99の超ミクロンコンパウンドにはホワイト、ライト&メタリック、ダーク&メタリックの3種類があります。
- 濃色車:磨き跡が最も目立つので、仕上げは超微粒子まで落とします。ソフト99は、白っぽい磨き跡が残ってもワックス仕上げで消えると案内しています
- 淡色車:磨き跡は目立ちにくい代わりに、くすみや黄ばみが見えます。汚れ落としの段階を省かないでください
手順そのものは黒い車の磨き方へ。
バフとの組み合わせが仕上がりを決める
コンパウンドはバフとセットで効果を発揮します。粗目コンパウンドは研磨力の高いウールバフ、仕上げの極細目は柔らかいスポンジバフと合わせるのが王道です。バフを工程で分けると、粗い研磨剤が仕上げに混ざる磨きムラ(バフ目)を防げます。
| 粗さ | 合わせるバフ | 手磨き/ポリッシャー | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 粗目 | ウール | ポリッシャー向き | 補修塗装の均し・下地処理 |
| 細目 | ウール/硬めスポンジ | どちらも可 | 浅い洗車キズ・水アカ |
| 中細 | 硬めスポンジ | どちらも可 | ウールの磨き跡消し |
| 極細目・超微粒子 | 柔らかいスポンジ/マイクロファイバー | 仕上げは手磨きでも可 | 艶出し・最終仕上げ |
ソフト99は種類ごとにタオルを取り換えるよう求めています。バフも同じで、使い回すと前の粒子が仕上げに混ざります(バフの種類と違い・ポリッシャーの使い方)。
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研磨力の高いウールタイプ。コンパウンドと合わせて下地処理から仕上げまで使えます。
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- しっかり洗車して乾かす:砂やホコリが残るとキズの原因になります
- 粗目から始め、様子を見ながら細かい番手へ
- 少量ずつ使う:付けすぎは飛び散りとムラの原因
- 同じ場所に留めず動かし続ける:熱で塗装を傷めないため
- 仕上げに脱脂してコーティングで保護します
使用量と拭き取りのコツ
量は足りないくらいから始めます。多く出しても研磨力は上がらず、飛び散りと拭き残しが増えます。
- 出す量:バフやスポンジに小豆大を数か所。広げてから当てます
- 動かし方:ソフト99は、布を直線的に動かすよう案内しています。円を描くとムラが出る場合があります
- 区切り:ホルツは、ハンカチサイズごとにやや力を入れ、ゆっくり磨くとしています
- 拭き取り:乾く前に、清潔で柔らかいクロスで拭き上げます。乾いてからでは白い粉が残ります
- 仕上げ:研磨後の面は無防備です。ワックスやコーティングで保護します
よくある失敗例と立て直し方
| 失敗 | 主な原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 細かい渦巻き状の跡が残る | 粗い粒子のまま仕上げた | 極細目と柔らかいバフでやり直す |
| 白い粉が隙間に残る | 乾いてから拭いた | 乾く前に拭く。残りは綿棒で取る |
| 塗装面が曇った | 熱いボディで磨いた | 冷えてからやり直す。ホルツも摩擦熱による曇りを警告 |
| キズが消えない | 爪が引っかかる深さだった | 研磨をやめてタッチアップか補修へ |
| 黒い樹脂が白くなった | 未塗装樹脂に当てた | 研磨では戻らない。樹脂用の保護剤で対処 |
よくある質問
Q. コンパウンドは何番から買えばいい?
まずは中目〜極細目のセット品が扱いやすいです。深いキズがある場合のみ粗目を追加してください。番手が分かれているセットなら段階的に使い分けられます。
Q. 磨きすぎると危険ですか?
塗装は薄いため、粗目で強く磨きすぎると下地が出る恐れがあります。少しずつ様子を見て、深追いしないことが大切です。
Q. 細目から始めても大丈夫ですか?
浅い洗車キズなら細目から十分です。ソフト99の細目は平均10〜15μm。粗目はサビ落としや補修塗装の粗削り用で、通常の洗車キズには不要です。
Q. 1本で全部まかなえる製品はありますか?
1本で済ませたいなら超微粒子が現実的です。ソフト99のコンパウンド極細は、メタリック車や新車にも使える超微粒子の研磨剤として案内されています。
Q. コーティング施工車に使えますか?
研磨剤は被膜ごと削る可能性があるため、施工店に先に確認してください。自分で試す場合も、目立たない場所からです。
まとめ:粗さの段階とバフの相性で選ぶ
コンパウンド選びは、粗さ(番手)を段階的にそろえ、バフと正しく組み合わせるのが失敗しないコツです。研磨力の高いウールバフと粗目、スポンジバフと仕上げ目という基本を押さえれば、DIYでもプロに近い仕上がりに近づけます。
出典(2026年9月確認):ソフト99(粒子サイズ・洗車ナビ・液体コンパウンド3000・極細)/武蔵ホルト(種類・消えないキズ・使い方)
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