人の名前が出てこない。あれ、それ、で会話が進む。冷蔵庫を開けて何を取りに来たか忘れる。
どれも珍しいことではありませんが、回数が増えてくると気になり始めます。
気になったときにできることは、実はそれほど多くありません。ただ、頭を使う習慣を切らさないことは、誰にでも今日から始められます。
私は医師ではなく、脳トレアプリを作っている当サイト運営者です。医療に関わる部分は、公的機関の公開情報(2026年9月22日確認)の紹介にとどめます。
加齢による物忘れと、受診を考えたい物忘れの違い
国立長寿医療研究センターは、物の置き忘れや、人の名前がなかなか思い出せないことは加齢でも見られ、物忘れは必ずしも病気ではないと説明しています。
一方で、物忘れが常にある、悪化している、ヒントがあっても思い出せない、体験そのものを忘れるといった場合は、認知症のサインの可能性があるとして、専門医療機関の受診を勧めています。
政府広報オンライン(取材協力は厚生労働省)は、違いの例をこう示しています。
| 見るところ | 加齢によるもの忘れ | 認知症によるもの忘れ |
|---|---|---|
| 体験したこと | 一部を忘れる(朝ごはんのメニューが思い出せない) | 全てを忘れている(朝ごはんを食べたこと自体を忘れている) |
| もの忘れの自覚 | ある | ない(初期には自覚があることが少なくない) |
| 症状の進行 | 極めて徐々にしか進行しない | 進行する |
これは一例で、自分で診断するための表ではありません。うつや体の病気でもよく似た状態は起こるとされ、自己判断は禁物です。
気になるときの相談先
まずはかかりつけ医へ。いなければ、医療機関のもの忘れ外来もあります。
地域包括支援センターも相談先です。厚生労働省によると全ての市町村に設置され、保健医療や介護の相談ができます。
生活の中でできること4つ
どれも「これをすれば認知症を防げる」という話ではありません。公的な資料にある、健康づくりの一般的な目安です。
| すること | 公的な資料にある目安 |
|---|---|
| 体を動かす | 歩行かそれと同等以上の強度の身体活動を、成人は1日60分以上(約8,000歩以上)、高齢者は1日40分以上(約6,000歩以上)。個人差を踏まえ、可能なものから(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」) |
| 睡眠を整える | 成人は6時間以上を目安に。高齢者は寝床に8時間以上とどまらない。寝る前のスマホ使用は避ける(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に基づくGood Sleepガイド) |
| 人と話す | 人との会話は脳の機能を維持する有効な手段(国立長寿医療研究センター)。MCI(軽度認知障害)向け冊子には、週1回以上は同居人以外とも会話を、という目安も |
| 新しいことを学ぶ(趣味) | 60歳以上の追跡調査で、余暇を趣味に使っていた人は、その後に認知機能が低下するリスクが低かった(国立長寿医療研究センターの研究紹介コラム) |
持病や痛みがある方は、運動の前に主治医へ相談してください。眠りの悩みが続く場合も、医療機関への相談が勧められています。
寝る前のスマホをやめる工夫は、別の記事にまとめました。
名前を思い出しやすくする3つのコツ
ここからは、暮らしの工夫です。
復唱する
名前を聞いたら、その場で声に出します。「田中さんですね」と返し、会話の中でもう一度名前で呼びます。
連想で結びつける
顔の特徴や会った場所と結びつけます。「どんな字を書くのですか」と尋ねるのも手がかりになります。
メモに残す
その日のうちに、手帳や連絡先のメモ欄に「いつ、どこで、何を話したか」を書きます。メモの場所は1か所に決め、会う前に見返します。
それでも出てこないときは、「お名前をもう一度伺えますか」と聞けば済みます。恥ずかしいことではありません。
脳トレアプリの位置づけ
脳トレアプリを作っている本人として、正直に書きます。
国立長寿医療研究センターのMCI向け冊子は、市販の脳トレーニングゲームに長期的な認知症予防効果があるかは明らかではない、としています。
同センターは携帯アプリや算数ゲームについての質問にも、まず運動、食事の工夫、生活習慣病の適正な管理を、と答えています。
ですから私のアプリも医療ではなく、診断も、予防や改善の約束もできません。
散歩や人との会話と並ぶ、楽しく続ける習慣の1つ。それが位置づけです。
続けやすさを考えて作った「まいにち脳活」
続かない理由は、たいてい広告です
脳トレのアプリはたくさんありますが、続かなかったという声をよく聞きます。
理由を聞くと、多くの方が同じことを言います。問題を解き終わるたびに広告が出る。閉じるボタンが小さくて押せない。動画を最後まで見せられる。
集中を切られる作りになっていると、鍛えるどころではありません。
広告を一切入れずに作りました
まいにち脳活というアプリを公開しています。1日3種目、すき間時間の脳トレです。
広告は一切表示しません。バナーも動画も出ません。ここは最初から決めていた部分です。
種目は6つあります。計算は60秒で何問解けるか。数字タッチは1から25まで順に押して注意力を使います。記憶は光った順番を覚えるもの。色と文字は、書かれた文字ではなく色を答えるもので、判断力を使います。違い探しは1つだけ違う字を見つけるもの。熟語は二字熟語を完成させます。
計算、注意、記憶、判断、観察、言語と、使う頭の場所を分けてあります。
毎日3種目が自動で出ます
きょうの脳活という画面が、その日の3種目を自動で選びます。何をやるか考える必要はありません。
連続日数と自己ベストを記録します。誰かと競うのではなく、昨日の自分と比べる形にしました。数字が少しずつ動くのが、続ける理由になります。
文字とボタンは大きくしています。説明書を読まなくても使えるようにしたかったからです。
記録は端末の中だけです
成績や記録が外に出ることはありません。アカウント登録もログインも不要です。開いたらすぐ始められます。
料金
計算と数字タッチは無料のままずっと使えます。残り4種目は買い切り1回で開放されます。月額課金はありません。
まず無料の2種目を1週間続けてみて、習慣になりそうか確かめていただくのがいいと思います。
1日5分から
長くやる必要はありません。むしろ短いほうが続きます。
朝のコーヒーを待つ間や、電車を待つ数分。頭の準備運動くらいの気持ちで始めてみてください。
まいにち脳活をApp Storeで見る(iPhone・基本無料)
6種目の詳しい内容や、親のスマホに入れるときの話は、まいにち脳活の紹介記事に書きました。
紙のドリルなど、ほかの方法との比較
アプリが一番だとは思っていません。ほかの方法と並べてみます。
| 方法 | 良いところ | 気をつけたいところ |
|---|---|---|
| 脳トレアプリ | 数分でできる。記録が自動で残る | 画面を見る時間が増える。広告や月額課金に注意 |
| 紙のドリル | 手で書ける。画面を見ずに済む | 買い足しが必要。記録は自分でつける |
| 音読・日記 | ほぼ無料で、今日から始められる | 単調になりやすい |
| 囲碁・将棋・麻雀 | 相手がいて、会話が生まれる | 相手と場所の都合に左右される |
| 習い事・地域の活動 | 新しいことを学べて、人とも会える | 費用と移動の手間がかかる |
人と話す機会が少ない方は、1人で完結するアプリやドリルより、相手のいる方法を優先したほうがよいと私は考えます。
よくある失敗と対処
- 不安から長時間やって、3日でやめる。1日数分と決め、物足りないくらいで終えます。
- 脳トレだけで安心する。運動、睡眠、人との会話が先です。
- 心配を1人で抱える。家族に話し、気になる場合はかかりつけ医や地域包括支援センターへ相談します。
よくある質問
人の名前が出てこないのは、認知症の始まりですか?
それだけでは判断できません。国立長寿医療研究センターによると、たまにある程度の軽い物忘れは加齢でも起こります。常にある、悪化しているといった場合は、受診が勧められています。
気になるときは、どこに相談すればよいですか?
まずかかりつけ医です。いない場合は医療機関のもの忘れ外来があります。介護や暮らしの相談も含めるなら、全ての市町村にある地域包括支援センターへ。
脳トレアプリを続ければ、認知症を防げますか?
防げるとは言えません。国立長寿医療研究センターの冊子は、市販の脳トレーニングゲームに長期的な認知症予防効果があるかは明らかではないとしています。まいにち脳活も医療ではなく、楽しく続ける習慣の1つです。
紙のドリルとアプリは、どちらがよいですか?
優劣はなく、続けやすいほうで構いません。手で書くのが好きなら紙、すき間時間に数分だけならアプリが向いています。
家族の物忘れが気になります。どうすればよいですか?
1人で悩まず相談してください。厚生労働省は、かかりつけ医や地域包括支援センターを、家族や周りの人が気づいたときの相談先としても挙げています。
まとめ
名前が出てこないこと自体は、加齢でも起こります。ただ、回数や進み方が気になる場合は、自己判断せず、かかりつけ医や地域包括支援センターへ相談してください。
そのうえで、体を動かし、よく眠り、人と話し、新しいことを少し学ぶ。脳トレは、その中の楽しみの1つです。




