英語の学び直しが少し軌道に乗ってくると、次は別の言語も話せるようになりたいと思う瞬間があります。旅行先で現地のことばであいさつしたい、取引先の国の言語を少しでも分かりたい。社会人が第二外国語に興味を持つきっかけは、たいていこうした場面です。
ただ、いざ始めようとすると「英語の次は何語がいいのか」で止まってしまいます。この記事では、2言語目の選び方を旅行先・仕事・文字と発音の難易度の観点で整理し、続けやすい始め方までまとめました。語学アプリを開発してきた立場から、遠回りしにくい順番をお伝えします。
2言語目は「使う場面」から逆算して選ぶ
最初に決めたいのは、その言語をどこで使うのかです。社会人の学習時間は限られているので、使う予定のない言語は後回しになりがちです。
- 旅行先で選ぶ: 韓国・台湾・タイなど、よく行く国があるなら、覚えたフレーズをすぐ試せるその国の言語が最有力です。
- 仕事で選ぶ: 取引先や同僚の母語です。あいさつが言えるだけでも、相手との距離が変わります。
- 趣味で選ぶ: ドラマや音楽など、毎日触れている文化の言語です。聞く機会が自然に増えるので続きやすくなります。
2つ以上が重なる言語があれば、それが第一候補です。「将来役に立ちそうだから」だけで選ぶと、使う場面が来ないまま熱が冷めやすくなります。
難易度の目安になる米国務省のデータ
言語の難しさの比較でよく引用されるのが、米国務省の外交官向け語学研修のデータです。FSIの名前で知られてきた研修で、英語を母語とする研修生が実務レベルに達するまでの目安期間が公開されています。
| カテゴリー | 目安の期間 | 主な言語 |
|---|---|---|
| I(英語に近い) | 24〜30週(552〜690授業時間) | スペイン語、フランス語、イタリア語など |
| II | 約36週(828授業時間) | ドイツ語、インドネシア語など |
| III(難しい) | 約44週(1,012授業時間) | ロシア語、タイ語、ベトナム語など |
| IV(非常に難しい) | 88週(2,200授業時間) | 中国語(北京語・広東語)、韓国語、アラビア語、日本語 |
出典: 米国務省 Foreign Language Training(2026年9月確認時点の掲載値)
大事なのは、この表が「英語話者にとっての難しさ」だという点です。日本語そのものが最も時間のかかるカテゴリーに入っています。
日本語話者の場合、一般に、韓国語は語順が近いこと、中国語は漢字から意味を推測しやすいことが学びやすさにつながると言われます。表は学習量の大まかな目安として見てください。
文字と発音の壁で選ぶ
2言語目で最初にぶつかるのは、文法よりも文字と発音です。候補の言語がどのタイプかを先に知っておきましょう。
ハングル(韓国語)
ハングルは子音と母音の部品を組み合わせて1文字を作る表音文字です。基本の子音14個と母音10個を覚えれば音として読めるようになるので、見た目の印象よりも入口は低い文字です。
キリル文字(ロシア語など)
ロシア語のアルファベットは33文字です。ラテン文字と形は同じなのに音が違う文字があり最初は混乱しますが、数が限られているので、声に出すうちに慣れていきます。
タイ文字
タイ文字は子音字だけで44個あり、母音記号が子音の上下左右に付きます。旅行で使うのが目的なら、まずカナの読みと音声でフレーズを覚え、文字は後から少しずつ、という順番が続けやすいと思います。
声調のある言語(中国語・広東語・タイ語など)
声調は、音の高さの変化で意味を区別する仕組みです。中国語(普通話)は4つ、タイ語は5つ、広東語は一般に6つとされています。日本語にはない感覚なので、お手本の音声を真似する練習の比重を大きくするのがコツです。
一方、スペイン語やイタリア語はラテン文字で、つづりと発音の対応が比較的規則的です。母音も日本語に近いので、文字の壁が低い言語から始めたい人に向いています。
1言語目と同じ学び方を使い回すと楽になる
2言語目が1言語目より楽に感じられる一番の理由は、学び方をすでに知っていることです。聞き流しでもシャドーイングでも、英語で自分に合った方法が見つかっているなら、そのまま次の言語に当てはめてください。
言語ごとに教材も学習法も変えてしまうと、「道具の使い方」まで覚え直すことになります。道具と時間帯を固定して、中身の言語だけを入れ替えるのが、社会人にとって負担の少ない進め方です。
最初の1ヶ月は会話フレーズと発音から
文法書を1ページ目から進める方法は、時間の限られた社会人には続きにくいものです。最初の1ヶ月は、次の順番をおすすめします。
- あいさつ、お礼、注文、道を聞くなど、使う場面の決まったフレーズを20個ほど選ぶ
- お手本の音声を聞いて、意味が分かった状態で声に出して真似する
- 自分が実際に言いたいこと(自己紹介、仕事の内容、好きなもの)をその言語にして足していく
- 文字と文法は、覚えたフレーズの中に出てきたものから少しずつ確認する
先に「言える文」を持っておくと、後から文法を学んだときに仕組みがつながります。発音も早めにお手本を真似しておくと、自己流の癖がつきにくくなります。
1つのアプリの中で言語を足せる「ひらめき語学」
学び方の使い回しを形にしたのが、当サイト運営者のJACK、つまり私が開発したiPhoneアプリ「ひらめき語学」です。9ヶ国語の会話と発音のトレーニングと、19言語の通訳を1本にまとめています。
学習に対応しているのは、英語・中国語・韓国語・広東語・タイ語・ロシア語・イタリア語・スペイン語・フランス語の9ヶ国語です。ホームで言語を選ぶだけで、学び方はどの言語も同じです。英語で慣れた手順のまま2つ目、3つ目の言語を足せます。
- 日本語を入力すると外国語に変換: 言いたいことをその言語にして、ネイティブ音声で何度でも聞けます
- 単語ごとの意味と読み: 中国語はピンイン、韓国語はローマ字、タイ語・ロシア語・スペイン語はカナの読みつきです
- 聞き流しとシャドーイング: 場面別の教材を連続再生でき、再生速度も調整できます
ダウンロードと19言語の通訳モードは無料です。学習のほうは、どの言語も最初のカテゴリと教材の1冊目、1日5回までの翻訳が無料です。
続けたい言語は、その言語だけを買い切りの言語パックで解放するか、9ヶ国語をまとめて解放するかを選べます。広告はなく、アカウント登録も不要です。最新の金額はApp Storeのページで確認してください。
弱点もお伝えします。学習に対応しているのは上の9ヶ国語だけで、ドイツ語やベトナム語などは通訳モードのみの対応です。また、対応はiOS 18.0以降です。
機能の詳細はひらめき語学の紹介記事を、言語ごとの発音表示の違いはひらめき語学シリーズ全9言語のまとめをご覧ください。
よくある質問
英語がまだ完璧ではないのに、2言語目を始めてもいいですか
A. 問題ありません。使う予定がある言語なら、あいさつと定番フレーズだけ先に覚える形で、英語と並行して進められます。
日本人にとって学びやすい言語はどれですか
A. 一般には、語順が日本語に近い韓国語、漢字で意味を推測しやすい中国語が入りやすいと言われます。発音の面では、母音が日本語に近いスペイン語やイタリア語も取り組みやすい言語です。
米国務省の難易度データは日本人にも当てはまりますか
A. そのままは当てはまりません。英語を母語とする研修生が対象のデータで、日本語は最も時間がかかるカテゴリーに入っています。学習量の大まかな目安として見てください。
2つの言語を同時に学ぶと混ざりませんか
A. 似た言語どうしは混ざりやすい傾向があります。スペイン語とイタリア語のような組み合わせは、片方が基礎まで進んでからもう片方を足すほうが整理しやすくなります。
ひらめき語学は無料で使えますか
A. ダウンロードと19言語の通訳モードは無料です。学習のほうは、どの言語も最初のカテゴリと教材の1冊目、1日5回までの翻訳が無料で、続けたい言語は買い切りで解放できます。最新の価格はApp Storeのページで確認してください。
関連リンク
2言語目は、使う場面から逆算して選び、1言語目の学び方を使い回すのが近道です。まずは気になる言語のあいさつを、今日ひとつ声に出すところから始めてみてください。




